Terminator Wiki
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| 作品名 = ターミネーター
 
| 作品名 = ターミネーター
 
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『'''ターミネーター'''』(原題 '''The Terminator''')は、[[1984年]][[アメリカ映画]]
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『'''ターミネーター'''』(原題 '''The Terminator''')は、1984年のアメリカ映画。
   
[[ボディビル]]出身の俳優[[アーノルド・シュワルツェネッガー]]を一躍スターダムに押し上げ、シリーズ化された[[SF映画]]として知られる。[[オライオン・ピクチャーズ]]=[[ワーナー・ブラザーズ]]配給。製作費は約14億円。
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ボディビル出身の俳優[[アーノルド・シュワルツェネッガー]]を一躍スターダムに押し上げ、シリーズ化されたSF映画として知られる。[[オライオン・ピクチャーズ]]/[[ワーナー・ブラザーズ]]配給。製作費は約14億円。
   
 
== あらすじ ==
 
== あらすじ ==
反乱を起こした[[人工知能]]を持つマシーンと、それに抵抗する人間が互い合う近未来、人類側の抵抗軍指導者として一人の男が立ち上がった。彼の名はジョン・コナー反撃に転じた人類に脅威を感じたマシーンは未来から現代殺人アンドイド『ターミネーター』を送りこんだ。目的は人類側の指導者を歴史から抹殺するため、指導者の母親となるサラ・コナーを殺害することである。
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近未来。反乱を起こした人工知能[[スカイネット]]が指揮する機械軍より絶滅の危機を迎えて人類だが、抵抗軍指導者である'''ジョン・コナー'''の指揮下、反撃に転じる。脅威を感じたスカイネット未来から現代殺人ロボット'''『ターミネーター』'''を送りこんだ。目的はジョン・コナーを歴史から抹殺するため、の母親となる'''サラ・コナー'''を殺害することである。同じ頃、人類側からも兵士'''カイル・リース'''が、サラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれる。人類の命運を分ける戦いが、1984年のロサンゼルスで始まる。
   
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サラの居場所を突き止めたターミネーター ([[T-800]]) を、同様にサラを探していたカイルが間一髪で阻止、彼女を救出して2人で逃走する。事態が飲み込めず怯えるサラに、カイルは話し始める。彼女を襲った人物は、サラを殺害する為に未来から送り込まれたロボットである事、それはサラが死ぬまで彼女を狙い続ける事、そしてカイルはまだ見ぬ'''彼女の息子'''による指示で、彼女を守る為に現代へやって来た事を…。
同じ頃、カイル・リースという男性兵士がサラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれる。人類の運命を分ける戦いは、今、[[1984年]]・[[ロサンゼルス]]で始まる事になった。
 
   
 
信じようとはしないサラであったが、カイルの生い立ちは彼女が生きている現代とは明らかに別物であった。また彼の人柄に触れるうちに次第に心を開くようになる。そしてターミネーターの追跡から逃げ続ける2人は、時が経つうちにお互いにを抱くようになり、モーテルで愛を交わす。
現代に降り立ったターミネーターがサラの居場所を突き止めた。彼女の頭を銃で撃ち抜こうとしたその瞬間、同様にサラを探していたカイルが間一髪で阻止、彼女を救出して2人で逃走する。
 
   
 
束の間の休息の後、2人はターミネーターの襲撃を受ける。カイルは負傷するが、ターミネーターの運転する大型タンクローリーを爆破、炎上させる事に成功。しかし、炎上するタンクローリーの残骸から、合金の骨格となったターミネーターが現れ、再び2人に襲いかかる。2人は近くにあった工場に逃げ込む。カイルは再びターミネーターを爆破する事に成功するものの力尽き。サラも片足に重傷を負う。カイルの死に悲嘆に暮れるサラに、爆破により上半身と右腕だけ姿となったターミネーターが尚も襲いかる。サラは足を引きずりながら、追って来たターミネーターをプレス機の下に誘導、これを作動させる。押し潰されたターミネーターは完全に破壊され彼女とターミネーターの死闘は終わりを迎えた。
事態が飲み込めず怯えるサラにカイルは話し始める。襲った人物の正体が金属骨格に人工の細胞組織をまとったアンドロイドである事、特定の人物抹殺のために未来から送り込まれた事、ターミネーターはサラが死ぬまで狙い続ける事などを。信じようとはしないサラであったが、カイルの生い立ちは彼女が生きている現代とは明らかに別物であった。また彼の人柄に触れるうちに次第に心を開くようになる。そしてターミネーターの追跡から逃げ続ける2人は、時が経つうちにお互いに恋心を抱くようになり、ついに[[モーテル]]で愛を交わす。
 
   
  +
数ヶ月後、お腹にカイルとの息子'''ジョン'''を宿したサラは、テープに音声を吹き込んで日記を作成しつつ、未来に訪れる'''「審判の日」'''とカイルの残した言葉に思いを馳せる。それらが現実のものとなってしまう事は彼女も察していたが、戦いを決意し、旅立つ。
束の間の休息の後、2人はターミネーターの襲撃を受ける。カイルは負傷するが、ターミネーターの運転する大型タンクローリーを爆破、炎上させる事に成功。これで全てが終わったかのように思われた。しかし、炎上するタンクローリーの残骸から、チタン合金の骨格となったターミネーターが現れ、再び2人に襲いる。2人は近くにあった工場に逃げ込む。カイルは再びターミネーターを爆破する事に成功するものの力尽きんでしまう。サラも片足に重傷を負う。カイルの死に悲嘆に暮れるサラに、爆破されたはずのターミネーターが上半身に右手だけの姿で尚も彼女に襲いかる。サラは足を引きずりながら這ってプレス機の下を潜り抜け、追って来たターミネーターをプレス機の下に誘導する。彼女がプレス機を作動させると、ターミネーターは押し潰され、完全に破壊された。彼女とターミネーターの死闘はこれで終わりを迎えた。
 
 
数ヶ月後、お腹にカイルとの間の息子ジョンを宿したサラは砂漠に横たわる道を車で走りながら、テープに音声を吹き込んで音声日記を作成しつつ、カイルの残した言葉と未来に訪れる「[[審判の日]]」に思いを馳せていた。それは1997年8月29日にマシーンによる核戦争が始まり、30億もの人命が失われる事、そして人類がマシーンとの戦いに立ち上がる事、その戦いを彼女の息子ジョンが勝利に導くという事。そして未来のジョンが己の母親であるサラに宛てた、またこの先に波乱の予兆がある、というメッセージに。これが現実のものとなってしまう事は彼女も察していたが、彼女は新たな戦いに挑む事を決意した。
 
   
 
== スタッフ ==
 
== スタッフ ==
* 監督[[ジェームズ・キャメロン]]
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* 監督 - [[ジェームズ・キャメロン]]
* 製作 [[ゲイル・アン・ハード]]
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* 製作 - [[ゲイル・アン・ハード]]
* 製作総指揮:[[ジョン・デイリー]][[デレク・ギブソン]]
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* 製作総指揮 - ジョン・デイリー、デレク・ギブソン
* 脚本:[[ジェームズ・キャメロン]][[ゲイル・アン・ハード]]
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* 脚本 - ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード
* 撮影[[アダム・グリーンバーグ]]
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* 撮影 - [[アダム・グリーンバーグ]]
* 音楽[[ブラッド・フィーデル]]
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* 音楽 - [[ブラッド・フィーデル]]
* SFX:[[スタン・ウィンストン]]、[[Fantasy 2 Film Effects]]、[[パシフィック・データー・イメージズ]]
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* SFX - [[スタン・ウィンストン]]、[[Fantasy 2 Film Effects]]、[[パシフィック・データー・イメージズ]]
* 提供:[[ヘムデイルフィルムコーポレーション]][[シネマ84]][[ユーロフィルムファンド]][[パシフィックウェスタン]]
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* 提供 - ヘムデイルフィルムコーポレーション、シネマ84、ユーロフィルムファンド、パシフィックウェスタン
   
 
== キャスト ==
 
== キャスト ==
* [[T-800|ターミネーター]](The Terminator):[[アーノルド・シュワルツェネッガー]]([[タイトル・ロール]])
+
;ターミネーター([[T-800]]) - [[アーノルド・シュワルツェネッガー]]
  +
:ジョンの存在を消滅させるため、1984年にタイムスリップし、サラを殺害しようとする殺人アンドロイド。
* [[カイル・リース]](Kyle Reese):[[マイケル・ビーン]]
 
* [[サラコナー]](Sarah Connor):[[リンダ・ハミン]]
+
;[[カイル]] - [[マイケ・ビーン]]
  +
:2029年の人類抵抗軍のジョンの部下。サラを守るため、1984年にタイムスリップする。
* [[ピーター・シルバーマン]]医師(Dr.Peter Silberman):[[アール・ボーエン]]
 
  +
;[[サラ・コナー]] - [[リンダ・ハミルトン]]
* [[エド・トラクスラー]]警部(Lieutenant Ed Traxler):[[ポール・ウィンフィールド]]
 
  +
:人類抵抗軍のリーダー、ジョンの母親。ターミネーターに狙われるが、カイルに助けられる。
* [[ハル・ブコビッチ]]刑事(Detective Hal Vukovich):[[ランス・ヘンリクセン]]
 
 
;[[ピーター・シルバーマン]] - [[アール・ボーエン]]
  +
:犯罪心理学者。逮捕されたカイルを尋問し、話を聞くが信用しない。
 
;[[トラクスラー]] - [[ポール・ウィンフィールド]]
  +
:ウエストハイランド警察署の警部。警察署でサラを保護し、カイルの話を次第に信用していく。
 
;[[ブコビッチ]] - [[ランス・ヘンリクセン]]
  +
:ウエストハイランド警察署の警部補。逮捕したカイルの話を信じようとしなかった。
   
== 日本語吹替 ==
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== 吹 ==
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! 役名
 
! 役名
! ビデオ
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! VHS
 
! DVD版
 
! DVD版
! 1987年テレビ朝日「[[日曜洋画劇場]]」
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! テレビ朝日版
! 2003年テレビ東京「[[木曜洋画劇場]]」
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! テレビ東京版
 
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| ターミネーター || [[大友龍三郎]] || [[玄田哲章]] || [[大友龍三郎]] || [[玄田哲章]]
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| ターミネーター || [[大友龍三郎]] || [[玄田哲章]] || 大友龍三郎 || 玄田哲章
 
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| カイル || [[池田秀一]] || [[宮本充]] || [[田中秀幸]] || [[小山力也]]
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| カイル || [[池田秀一]] || [[宮本充]] || [[田中秀幸 (声優)|田中秀幸]] || [[小山力也]]
 
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| サラ || [[高島雅羅]] || [[佐々木優子]] || [[戸田恵子]] || [[松本梨香]]
 
| サラ || [[高島雅羅]] || [[佐々木優子]] || [[戸田恵子]] || [[松本梨香]]
 
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| トラクスラー || || [[宝亀克寿]] || || [[内海賢二]]
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| トラクスラー || [[富田耕生]] || [[宝亀克寿]] || [[福田豊土]] || [[内海賢二]]
 
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| シルバーマン || || || || [[岩崎ひろし]]
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| シルバーマン || [[塚田正昭]] || [[稲葉実]] || [[阪脩]] || [[岩崎ひろし]]
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<!--テレ朝版スタッフ、制作:東北新社、演出:蕨南勝之、翻訳:宇津木道子、調整:切金潤、プロデューサー:猪谷敬二-->
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===テレビ放送履歴 ===
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! 回数
| ジンジャー || || || || [[雨蘭咲木子]]
 
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! 放送日時
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! 放送分数
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! 放送局
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! 単発特別番組枠
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! 視聴率
 
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| 1 || 1987年10月18日(日) 21:02-22:54 || 112 || テレビ朝日 || 日曜洋画劇場 ||   %
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| 2 || 1990年11月25日(日) 21:02-22:54 || 112 || テレビ朝日 || 日曜洋画劇場 ||   %
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  +
| 3 || 1991年09月08日(日) 21:02-22:54 || 112 || テレビ朝日 || 日曜洋画劇場 || 29.7%
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  +
| 4 || 1993年03月28日(日) 21:02-22:54 || 112 || テレビ朝日 || 日曜洋画劇場 ||   %
  +
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  +
| 5 || 1997年12月28日(日) 21:02-22:54 || 112 || テレビ朝日 || 日曜洋画劇場 || 12.8%
  +
|-
  +
| 6 || 2000年07月14日(金) 21:03-22:54 || 111 || 日本テレビ || 金曜ロードショー || 16.2%
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  +
| 7 || 2001年04月21日(土) 21:30-23:24 || 114 || フジテレビ || ゴールデン洋画劇場 || 14.8%
  +
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  +
| 8 || 2003年05月29日(木) 21:00-22:54 || 114 || テレビ東京 || 木曜洋画劇場 || 10.9%
  +
|-
  +
| 9 || 2004年12月16日(木) 21:00-22:54 || 114 || テレビ東京 || 木曜洋画劇場 ||  7.8%
  +
|-
  +
| 10 || 2009年06月03日(水) 21:00-22:54 || 114 || テレビ東京 || 水曜シアター9 ||  7.7%
 
|}
 
|}
  +
※1991年9月放映時の視聴率は、日曜洋画劇場の歴代視聴率の第4位にランクインした。
   
 
== 続編 ==
 
== 続編 ==
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== 制作経緯 ==
 
== 制作経緯 ==
 
; ターミネーター役の人選
 
; ターミネーター役の人選
: 監督のジェームズ・キャメロンは本作について、「当初は殺人ロボットの話を予定していたが、現代の技術ではそうしたロボットの実現は不可能であるし、かと言って未来の話ではセットに費用がかかる上に観客にも受け入れがたいと考え、その結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と語っている。主役のターミネーターについて、当初は『[[ターミネーター2|T2]]』の[[T-1000]]の様な、「細身の一見ひ弱そうな人間だが実は強力」というキャラクターを構想しており、本作でブコビッチ刑事を演じた[[ランス・ヘンリクセン]]が候補に挙がっていた(後に『[[エイリアン2]]』でアンドイド・ビショップを演じる)。
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: 監督のジェームズ・キャメロンは本作について、「当初は殺人ロボットの話を予定していたが、現代の技術ではそうしたロボットの実現は不可能であるし、かと言って未来の話ではセットに費用がかかる上に観客にも受け入れがたいと考え、その結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と語っている。主役のターミネーターについて、当初は『[[ターミネーター2|T2]]』の[[T-1000]]の様な、「細身の一見ひ弱そうな人間だが実は強力」というキャラクターを構想しており、本作でブコビッチ刑事を演じた[[ランス・ヘンリクセン]]が候補に挙がっていた(後に『エイリアン2』でロボット・ビショップを演じる)。
: しかしキャメロン監督が、カイル役候補としてシュワルツェネッガーと会食した、ターミネーターのキャラクターつい有用な意見得たのをきっかけに彼に白羽の矢が立つ事になった。結果としてシュワルツェネッガー演じるターミネーターは好評を得て、彼を一躍ハリウッドのスターへと押し上げた。その後のシリーズでは、正義の側(ジョン・コナーを守る立場)として活躍するなど、その人気の高さが伺える。
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: しかしキャメロン監督が、カイル役候補としてシュワルツェネッガーと会食したときに変わった。キャメロン監督は彼の似顔絵を描いているうちにターミネーター役に合っていることに気づいた。更に、彼からターミネーターのキャラのバッグランド関し良いアイディアたことターミネーター役はシュワルツェネッガーしかいないと確信するようになった。結果としてシュワルツェネッガー演じるターミネーターは、彼を一躍ハリウッドのスターへと押し上げた。T2から悪役から主役へと立場が変化し人間側(ジョン・コナーを守る立場)として活躍するようになる。
; 3D制作のコスト面
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; 制作のコスト面
: 公開以前は製作・配給会社から全く評価されておらず、爆発で肉体を焼失したターミネーターが骨格のみで追跡を再開する以降の部分は、製作されずに終わる所であった。というのもターミネーターが、金属の骨格のみになった以上、シュワルツェネッガーがそれを演じるのは不可能であるためで、当時の映像技術から考えると[[ストップモーション・アニメーション]]を採用する事になるが、[[フレームレート]]を低く設定するとターミネーターの動きがぎこちなくなってしまう。フレームレートを上げれば上げるほど作業時間は増え、制作費は跳ね上がる。
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: 公開以前は製作・配給会社から全く評価されておらず、爆発で肉体を焼失したターミネーターが骨格のみで追跡を再開する以降の部分は、製作されずに終わる所であった。というのもターミネーターが、金属の骨格のみになった以上、シュワルツェネッガーがそれを演じるのは不可能であるためで、当時の映像技術から考えるとストップモーション・アニメーションを採用する事になるが、フレームレートを低く設定するとターミネーターの動きがぎこちなくなってしまう。フレームレートを上げれば上げるほど作業時間は増え、制作費は跳ね上がる。
 
: 遂に費用が尽きてしまい、これ以上は製作が続けられないという状況下において、突如キャメロン監督が「トラックに衝突してターミネーターが足を怪我したことにすれば、フレームレートを下げても動きが不自然に見えず、むしろ怪我によるものに見えるため、かえってリアルになる」という奇抜なアイデアを思いついた事で、クライマックスのシークエンスはかろうじて完成に至った。
 
: 遂に費用が尽きてしまい、これ以上は製作が続けられないという状況下において、突如キャメロン監督が「トラックに衝突してターミネーターが足を怪我したことにすれば、フレームレートを下げても動きが不自然に見えず、むしろ怪我によるものに見えるため、かえってリアルになる」という奇抜なアイデアを思いついた事で、クライマックスのシークエンスはかろうじて完成に至った。
  +
: ストップモーション・アニメーションは全身が映るシーンに限定され、半身が映るシーンではスタッフが直接動かしている。
 
== 備考 ==
 
劇中でカイルがサラに[[T-800]]のことを「[[サイボーグ]]だ!」と説明するくだりがあるが、サイボーグとはあくまで人間をベースとしてそれにメカをインプラントするものであり(義手、義足等がその例)、その逆をサイボーグとは呼ばない。T-800は人間の容姿を持ち表面に細胞組織を使用してはいるものの、あくまでもロボットであり、正確には『ヒューマノイド』や『アンドロイド』と呼ぶべきであろう。
 
   
 
== その他 ==
 
== その他 ==
* 劇中、ターミネーターは銃砲店から奪った[[AR-18]]や[[ウージー|UZI]]をフル・オートマチック(引き金を引いている間は弾丸が発射され続ける)で発砲しているが、比較的銃器に寛容なアメリカといえど、フル・オートマチック機能を持つ銃器の売買には警察及び[[BATFE]](連邦アルコール・タバコ・銃器・爆発物局)の許可が必要であり、元々セミ・オートマチック機能(引き金を引くと弾丸を一発だけ発射す)のみの市販用モデルあったこれら、ターミネーター自身フルオート改造したと考えられる(小説版には、ターミネーターが改造マニュアルを見ながらフルオート射撃可能な状態へ改造する場面が登場する。因みに、これは実際にアクション映画等の銃器担当スタッフがフルオート銃器を調達するために常用する手段(もちろん許可が必要)である。
+
* 劇中、ターミネーターは銃砲店から奪った[[AR-18]]や[[ウージー|UZI]]をフル・オートマチック(引き金を引いている間は弾丸が発射され続ける)で発砲しているが、比較的銃器に寛容なアメリカといえど、フル・オート機能を持つ銃器の売買には警察及び[[BATFE]](連邦アルコール・タバコ・銃器・爆発物局)の許可が必要である。映画は拳銃許可証店員出す前射殺した小説版には、ターミネーターが改造マニュアルを見ながらフルオート射撃可能な状態へ改造する場面が登場する。因みに、これは実際にアクション映画等の銃器担当スタッフがフルオート銃器を調達するために常用する手段(もちろん許可が必要)である。なお、ターミネーターの使用する銃は全て「自動式」に対し、カイルは手動装てん式のショットガンや回転式拳銃という「原始的な構造」の銃を使っている。
 
*銃砲店ターミネーターが銃を選ぶ際に「フェイズドプラズマライフル」を選択するが、これは未来の兵器であり、この時代には存在せず、ターミネーターの情報ミスである(本作のパンフレットにて解説が載っている)。これに対応した銃砲店の店主は「それは今置いてないねぇ」などと知識の無い答えをしている。また一部字幕では「なんですそれ?、他吹き替えでは「この店にあるのだけにしてくれ」などと表されている。
  +
*カイルはパトカーから奪ったショットガンを、[[ソードオフ・ショットガン|ストックを切り落として全長を短くし]]、使いやすく改造してから右腕に紐でくくりつけ、落としたり奪われないようにしているが、『ターミネーター4』では少年時代のカイルがマーカス・ライトから銃に関する「手品」として紐でくくりつけるアイディアを教わるシーンがある。
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*映画の宣伝ポスターなどでターミネーターが構えていたのは、[[AMTハードボーラー]]という銃で、銃の上に付いているのは[[照準器|レーザーサイト]]。
 
* カイルを演じたマイケル・ビーンは、オーディション当時は舞台劇の影響で南部訛りが強かったため、不自然だということで落とされかけたが、エージェントによって南部出身者ではないと説明され、危機を脱した。
 
* カイルを演じたマイケル・ビーンは、オーディション当時は舞台劇の影響で南部訛りが強かったため、不自然だということで落とされかけたが、エージェントによって南部出身者ではないと説明され、危機を脱した。
* 設定の一部について、TVドラマ『アウターリミッツ』の[[ハーラン・エリスン]]が脚本を担当した2つのエピソード(第33話『38世紀から来た兵士』、第37話『ガラスの手を持つ男』)から剽窃したものとの指摘あり、キャメロン監督謝罪している。
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* 設定の一部について、“TVドラマ『アウターリミッツ』の[[ハーラン・エリスン]]が脚本を担当した2つのエピソード(第33話『38世紀から来た兵士』、第37話『ガラスの手を持つ男』)から剽窃したものである”との訴えエリスン側から起こされ製作者側は敗訴。キャメロン監督謝罪し、現在は原案者の一人としてエリスンの名がクレジットされている。
* 警察署窓口での台詞「I'll be back.」はシュワルツェネッガーのトレードマークとなり、以降の出演作の多くで「I'll be back.」と言うシチュエーションが設定されている。
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* 警察署窓口での台詞「[[また戻ってくる|I'll be back.]]」はシュワルツェネッガーのトレードマークとなり、続編を含む以降の出演作の多くで「I'll be back.」と言うシチュエーションが設定されている。
* 映画のラスト、ガソリンスタンドにいた少年に「嵐が来るよ」と言われたサラが「ええ、分かってるわ」と返すシーンは「機械との戦争が待つ未来」を暗示させるものだが、これは製作陣があらかじめ続編を意識していたことの表れともされている(1996年、『[[ゴールデン洋画劇場]]』にて本作が放送された際には、番組司会者である[[高島忠夫]]がそのように語っている)ただし、冒頭で「未来の最終決戦は今夜行われる」というナレーションが入り、警察で尋問されているカイルが「防衛網は破られ、勝利は確実であり、スカイネットはジョンの母親を殺すことで出生そのものを阻止するしか手が無かった」「タイムスリップの装置はジョンによって爆破され、後から来る者は居ない」という台詞から一作目で終わる可能性も十分あったと思われる
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* 映画のラスト、ガソリンスタンドにいた少年に「嵐が来るよ」と言われたサラが「ええ、分かってるわ」と返すシーンは「機械との戦争が待つ未来」を暗示させるものだが、これは製作陣があらかじめ続編を意識していたことの表れともされている(1996年、『[[ゴールデン洋画劇場]]』にて本作が放送された際には、番組司会者である高島忠夫がそのように語っている)。
* この映画で一躍世界的なスターとなったシュワルツェネッガーであるが、本作以前はそれほど人気俳優というわけではなかった。映画では同氏の[[陰部]]、[[臀部]]露出シーンがあるが以降作品ではそなシーンは撮影されていない。
+
* この映画で一躍世界的なスターとなったシュワルツェネッガー、本作以前はそれほど人気俳優というわけではなかった。コナン・ザ・グレートのヒットもあって全く無名ではなかったもの、英語下手だということもってなかなか役に恵まれず苦労を重ねていた。しかし英語下手さがキャメロン監督の目に留った。といのも、キャメロ監督非人間的感じを出すには饒舌よりも片言で喋る方がいと考えていたからである
* サラがターミネーターをプレス機で押しつぶす時の台詞「you are terminated.」は、『ターミネーター3』でT-850がT-Xを破壊する時にも使用された(『ターミネーター2』では、ジョンの「Is he dead?(死んだの?)」に対し「Terminated.(完全に)」という台詞が発せられている)。
+
* サラがターミネーターをプレス機で押しす時の台詞「you are terminated.」は、『ターミネーター3』でT-850がT-Xを破壊する時にも使用された(『ターミネーター2』では、ジョンの「Is he dead?(死んだの?)」に対し「Terminated.(完全に)」という台詞が発せられている)。
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*カイルの回想にてシュワルツェネッガー以外の筋骨隆々のターミネーター(演者はボディービルダーの[[フランコ・コロンブ]])が登場している。
*銃砲店にてターミネーターが銃を選ぶ際に「プラズマライフル」を選択するが、これは未来の兵器であり、この時代には存在せず、ターミネーターの情報ミスで<!--、店主が「それは今品切れなんだ」と言っているのは口裏を合わせているからで-->ある(本作のパンフレットにて解説が載っている)。一部字幕では「なんですそれ」とされている。
 
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*キャメロンが今作を製作する際のエピソードとして、ロボットの悪夢の話がある。この作品の前に製作した『殺人魚フライングキラー』が失敗した際、評論家やマスコミにもひどくこき下ろされたため、キャメロンは屈辱の余り熱を出して寝込んでしまったという。そのとき、炎の中からロボットが現れて自分を殺しに来るという悪夢を見て、今作製作のきっかけとなった、という話だが、真偽は不明である。
*カイルの回想にてシュワルツネッガー以外の筋骨隆々のターミネーター(演者はボディービルダーの[[フランコ・コロンブ]])が登場している。「旧式は皮膚がゴムでできていて識別しやすかった」と言っていたが、このターミネーターは誰にも気付かれることなく基地に潜入できたことから(カイル達は犬の鳴き声でターミネーターであることがわかった)旧式ではないと思われるが、続編や関連書籍でも語られていない為どのようなタイプなのか不明である。
 
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*冒頭のナレーションで「最終決戦は未来ではなく現代で行われる。今夜・・・・・・・」と言っているが実際はターミネーターがタイムスリップしてきてその日の夜には決着せず、数日経っている。
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*ダーク・ホース社から、[[エイリアンVSプレデターVSターミネーター]]のコミックが出ているが、今作に出演しているキャストの中で、シュワルツェネッガーはプレデター、マイケル・ビーンはエイリアン2、ランス・ヘンリクセンはエイリアン2・エイリアン3・エイリアンVSプレデター、ビル・パクストンはエイリアン2・プレデター2にそれぞれ出演している。
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*岐阜県高山市に有る「留之助商店」(オーナーはSFX著書で有名な中子真治氏)にて、大変貴重な実際に劇中で使用されたT-800の実物大モデルが展示されている。
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*作中で「審判の日」(Judgement day)とされるのは1997年8月29日だが、1968年の8月29日はシカゴで開催された米・民主党大会でデモ隊と警官隊が衝突し、軍も出動して流血事件が起きた日。米国民にとって'29th, August'は、国家権力が市民に牙をむいた日として記憶されている。映画の「コンピュータ対人類」という構図は、キャメロン監督にとって「国家対国民」を暗喩したものと言われている。
   
 
== ゲーム作品 ==
 
== ゲーム作品 ==
; ターミネーター([[Nintendo Entertainment System]])
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; ザ・ターミネーター(Nintendo Entertainment System)
* 外のみで発売されたゲーム。左・右スクロール型のアクションゲーム。カーチェイスステージなどもある。海外仕様なだけに難易度は極悪で、全面クリアーには運が必要とされる。コンティニューやセーブ等は一切ない。
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: 日本国外のみで発売されたゲーム。左・右スクロール型のアクションゲーム。カーチェイスステージなどもある。NES仕様なだけに難易度は極悪で、全面クリアーには運が必要とされる。コンティニューやセーブ等は一切ない。
 
; ザ・ターミネーター(メガCD)
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: 日本国外で発売されたメガCD版。ヴァージンインタラクティブ制作。
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: 未来編、敵基地内、現代編とターミネーターの舞台となったシーンを舞台とする2Dアクション。メガCDを活かした映画ムービーの導入やトミー・タラリコ作曲のBGMが特徴。
   
 
== 関連書 ==
 
== 関連書 ==
 
* 『ターミネーター』(講談社X文庫)R・フレイクス、W・H・ウィッシャー訳 吉岡平 1984年
 
* 『ターミネーター』(講談社X文庫)R・フレイクス、W・H・ウィッシャー訳 吉岡平 1984年
 
* 『ターミネーターの秘密』 HOLLYWOOD見聞会 データハウス 1993年 ISBN 4887181833
 
* 『ターミネーターの秘密』 HOLLYWOOD見聞会 データハウス 1993年 ISBN 4887181833
* 『『ターミネーター』解剖』 ショーン・フレンチ 矢口誠訳 扶桑社 2003年 ISBN 4594041007
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* 『『ターミネーター』解剖』 ショーン・フレンチ 矢口誠訳 扶桑社 2003年 ISBN 9784594041007
   
 
== 脚注 ==
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2011年9月29日 (木) 06:41時点における最新版

ターミネーター
The Terminator
Terminator poster
監督 ジェームズ・キャメロン
脚本 ジェームズ・キャメロン
ゲイル・アン・ハード
製作 ゲイル・アン・ハード
製作総指揮 ジョン・デイリー
デレク・ギブソン
出演者 アーノルド・シュワルツェネッガー
マイケル・ビーン
リンダ・ハミルトン
音楽 ブラッド・フィーデル
編集 マーク・ゴールドブラット
配給 オライオン・ピクチャーズアメリカ合衆国の旗
ワーナー・ブラザーズ日本の旗
公開 1984年10月26日アメリカ合衆国の旗
1985年5月25日日本の旗
上映時間 108分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $6,400,000[1]
興行収入 $38,371,200[1] アメリカ合衆国の旗
$78,371,200[1] (全世界)
次作 ターミネーター2
allcinema
キネマ旬報
AllRovi
IMDb
  

ターミネーター』(原題 The Terminator)は、1984年のアメリカ映画。

ボディビル出身の俳優アーノルド・シュワルツェネッガーを一躍スターダムに押し上げ、シリーズ化されたSF映画として知られる。オライオン・ピクチャーズ/ワーナー・ブラザーズ配給。製作費は約14億円。

あらすじ[]

近未来。反乱を起こした人工知能スカイネットが指揮する機械軍により絶滅の危機を迎えていた人類だが、抵抗軍指導者であるジョン・コナーの指揮下、反撃に転じる。脅威を感じたスカイネットは、未来から現代へ殺人ロボット『ターミネーター』を送りこんだ。目的はジョン・コナーを歴史から抹殺するため、彼の母親となるサラ・コナーを殺害することである。同じ頃、人類側からも兵士カイル・リースが、サラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれる。人類の命運を分ける戦いが、1984年のロサンゼルスで始まる。

サラの居場所を突き止めたターミネーター (T-800) を、同様にサラを探していたカイルが間一髪で阻止、彼女を救出して2人で逃走する。事態が飲み込めず怯えるサラに、カイルは話し始める。彼女を襲った人物は、サラを殺害する為に未来から送り込まれたロボットである事、それはサラが死ぬまで彼女を狙い続ける事、そしてカイルはまだ見ぬ彼女の息子による指示で、彼女を守る為に現代へやって来た事を…。

信じようとはしないサラであったが、カイルの生い立ちは彼女が生きている現代とは明らかに別物であった。また、彼の人柄に触れるうちに次第に心を開くようになる。そしてターミネーターの追跡から逃げ続ける2人は、時が経つうちにお互いに愛を抱くようになり、モーテルで愛を交わす。

束の間の休息の後、2人はターミネーターの襲撃を受ける。カイルは負傷するが、ターミネーターの運転する大型タンクローリーを爆破、炎上させる事に成功。しかし、炎上するタンクローリーの残骸から、超合金の骨格となったターミネーターが現れ、再び2人に襲いかかる。2人は近くにあった工場に逃げ込む。カイルは再びターミネーターを爆破する事に成功するものの力尽き、死亡。サラも片足に重傷を負う。カイルの死に悲嘆に暮れるサラに、爆破により上半身と右腕だけの姿となったターミネーターが尚も襲いかかる。サラは足を引きずりながらも、追って来たターミネーターをプレス機の下に誘導、これを作動させる。押し潰されたターミネーターは完全に破壊され、彼女とターミネーターの死闘は終わりを迎えた。

数ヶ月後、お腹にカイルとの息子ジョンを宿したサラは、テープに音声を吹き込んで日記を作成しつつ、未来に訪れる「審判の日」とカイルの残した言葉に思いを馳せる。それらが現実のものとなってしまう事は彼女も察していたが、戦いを決意し、旅立つ。

スタッフ[]

  • 監督 - ジェームズ・キャメロン
  • 製作 - ゲイル・アン・ハード
  • 製作総指揮 - ジョン・デイリー、デレク・ギブソン
  • 脚本 - ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード
  • 撮影 - アダム・グリーンバーグ
  • 音楽 - ブラッド・フィーデル
  • SFX - スタン・ウィンストンFantasy 2 Film Effectsパシフィック・データー・イメージズ
  • 提供 - ヘムデイルフィルムコーポレーション、シネマ84、ユーロフィルムファンド、パシフィックウェスタン

キャスト[]

ターミネーター(T-800) - アーノルド・シュワルツェネッガー
ジョンの存在を消滅させるため、1984年にタイムスリップし、サラを殺害しようとする殺人アンドロイド。
カイル・リース - マイケル・ビーン
2029年の人類抵抗軍のジョンの部下。サラを守るため、1984年にタイムスリップする。
サラ・コナー - リンダ・ハミルトン
人類抵抗軍のリーダー、ジョンの母親。ターミネーターに狙われるが、カイルに助けられる。
ピーター・シルバーマン - アール・ボーエン
犯罪心理学者。逮捕されたカイルを尋問し、話を聞くが信用しない。
トラクスラー - ポール・ウィンフィールド
ウエストハイランド警察署の警部。警察署でサラを保護し、カイルの話を次第に信用していく。
ブコビッチ - ランス・ヘンリクセン
ウエストハイランド警察署の警部補。逮捕したカイルの話を信じようとしなかった。

吹き替え[]

役名 VHS版 DVD版 テレビ朝日版 テレビ東京版
ターミネーター 大友龍三郎 玄田哲章 大友龍三郎 玄田哲章
カイル 池田秀一 宮本充 田中秀幸 小山力也
サラ 高島雅羅 佐々木優子 戸田恵子 松本梨香
トラクスラー 富田耕生 宝亀克寿 福田豊土 内海賢二
ブコビッチ 千田光男 仲野裕 千田光男 内田直哉
シルバーマン 塚田正昭 稲葉実 阪脩 岩崎ひろし


テレビ放送履歴[]

回数 放送日時 放送分数 放送局 単発特別番組枠 視聴率
1 1987年10月18日(日) 21:02-22:54 112  テレビ朝日 日曜洋画劇場   %
2 1990年11月25日(日) 21:02-22:54 112  テレビ朝日 日曜洋画劇場   %
3 1991年09月08日(日) 21:02-22:54 112  テレビ朝日 日曜洋画劇場 29.7%
4 1993年03月28日(日) 21:02-22:54 112  テレビ朝日 日曜洋画劇場   %
5 1997年12月28日(日) 21:02-22:54 112  テレビ朝日 日曜洋画劇場 12.8%
6 2000年07月14日(金) 21:03-22:54 111  日本テレビ 金曜ロードショー 16.2%
7 2001年04月21日(土) 21:30-23:24 114  フジテレビ ゴールデン洋画劇場 14.8%
8 2003年05月29日(木) 21:00-22:54 114  テレビ東京 木曜洋画劇場 10.9%
9 2004年12月16日(木) 21:00-22:54 114  テレビ東京 木曜洋画劇場  7.8%
10 2009年06月03日(水) 21:00-22:54 114  テレビ東京 水曜シアター9  7.7%

※1991年9月放映時の視聴率は、日曜洋画劇場の歴代視聴率の第4位にランクインした。

続編[]

制作経緯[]

ターミネーター役の人選
監督のジェームズ・キャメロンは本作について、「当初は殺人ロボットの話を予定していたが、現代の技術ではそうしたロボットの実現は不可能であるし、かと言って未来の話ではセットに費用がかかる上に観客にも受け入れがたいと考え、その結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と語っている。主役のターミネーターについて、当初は『T2』のT-1000の様な、「細身の一見ひ弱そうな人間だが実は強力」というキャラクターを構想しており、本作でブコビッチ刑事を演じたランス・ヘンリクセンが候補に挙がっていた(後に『エイリアン2』でロボット・ビショップを演じる)。
しかしキャメロン監督が、カイル役候補としてシュワルツェネッガーと会食したときに変わった。キャメロン監督は彼の似顔絵を描いているうちに、ターミネーター役に合っていることに気づいた。更に、彼からターミネーターのキャラのバックグランドに関して良いアイディアを貰ったことから、ターミネーター役はシュワルツェネッガーしかいないと確信するようになった。結果としてシュワルツェネッガー演じるターミネーターは、彼を一躍ハリウッドのスターへと押し上げた。T2からは悪役から主役へと立場が変化し、人間側(ジョン・コナーを守る立場)として活躍するようになる。
制作のコスト面
公開以前は製作・配給会社から全く評価されておらず、爆発で肉体を焼失したターミネーターが骨格のみで追跡を再開する以降の部分は、製作されずに終わる所であった。というのもターミネーターが、金属の骨格のみになった以上、シュワルツェネッガーがそれを演じるのは不可能であるためで、当時の映像技術から考えるとストップモーション・アニメーションを採用する事になるが、フレームレートを低く設定するとターミネーターの動きがぎこちなくなってしまう。フレームレートを上げれば上げるほど作業時間は増え、制作費は跳ね上がる。
遂に費用が尽きてしまい、これ以上は製作が続けられないという状況下において、突如キャメロン監督が「トラックに衝突してターミネーターが足を怪我したことにすれば、フレームレートを下げても動きが不自然に見えず、むしろ怪我によるものに見えるため、かえってリアルになる」という奇抜なアイデアを思いついた事で、クライマックスのシークエンスはかろうじて完成に至った。
ストップモーション・アニメーションは全身が映るシーンに限定され、半身が映るシーンではスタッフが直接動かしている。

その他[]

  • 劇中、ターミネーターは銃砲店から奪ったAR-18UZIをフル・オートマチック(引き金を引いている間は弾丸が発射され続ける)で発砲しているが、比較的銃器に寛容なアメリカといえど、フル・オート機能を持つ銃器の売買には警察及びBATFE(連邦アルコール・タバコ・銃器・爆発物局)の許可が必要である。映画では拳銃の許可証を店員が出す前に射殺した。小説版には、ターミネーターが改造マニュアルを見ながら、フルオート射撃可能な状態へ改造する場面が登場する。因みに、これは実際にアクション映画等の銃器担当スタッフがフルオート銃器を調達するために常用する手段(もちろん許可が必要)である。なお、ターミネーターの使用する銃は全て「自動式」に対し、カイルは手動装てん式のショットガンや回転式拳銃という「原始的な構造」の銃を使っている。
  • 銃砲店でターミネーターが銃を選ぶ際に「フェイズドプラズマライフル」を選択するが、これは未来の兵器であり、この時代には存在せず、ターミネーターの情報ミスである(本作のパンフレットにて解説が載っている)。これに対応した銃砲店の店主は「それは今置いてないねぇ」などと知識の無い答えをしている。また一部字幕では「なんですそれ?」、他吹き替えでは「この店にあるのだけにしてくれ」などと表現されている。
  • カイルはパトカーから奪ったショットガンを、ストックを切り落として全長を短くし、使いやすく改造してから右腕に紐でくくりつけ、落としたり奪われないようにしているが、『ターミネーター4』では少年時代のカイルがマーカス・ライトから銃に関する「手品」として紐でくくりつけるアイディアを教わるシーンがある。
  • 映画の宣伝ポスターなどでターミネーターが構えていたのは、AMTハードボーラーという銃で、銃の上に付いているのはレーザーサイト
  • カイルを演じたマイケル・ビーンは、オーディション当時は舞台劇の影響で南部訛りが強かったため、不自然だということで落とされかけたが、エージェントによって南部出身者ではないと説明され、危機を脱した。
  • 設定の一部について、“TVドラマ『アウターリミッツ』のハーラン・エリスンが脚本を担当した2つのエピソード(第33話『38世紀から来た兵士』、第37話『ガラスの手を持つ男』)から剽窃したものである”との訴えがエリスン側から起こされ、製作者側は敗訴。キャメロン監督は謝罪し、現在は原案者の一人としてエリスンの名がクレジットされている。
  • 警察署窓口での台詞「I'll be back.」はシュワルツェネッガーのトレードマークとなり、続編を含む以降の出演作の多くで「I'll be back.」と言うシチュエーションが設定されている。
  • 映画のラスト、ガソリンスタンドにいた少年に「嵐が来るよ」と言われたサラが「ええ、分かってるわ」と返すシーンは「機械との戦争が待つ未来」を暗示させるものだが、これは製作陣があらかじめ続編を意識していたことの表れともされている(1996年、『ゴールデン洋画劇場』にて本作が放送された際には、番組司会者である高島忠夫がそのように語っている)。
  • この映画で一躍世界的なスターとなったシュワルツェネッガーは、本作以前はそれほど人気俳優というわけではなかった。コナン・ザ・グレートのヒットもあって全くの無名ではなかったものの、英語が下手だということもあってなかなか役に恵まれず苦労を重ねていた。しかし、この英語の下手さがキャメロン監督の目に留った。というのも、キャメロン監督は非人間的な感じを出すには饒舌よりも片言で喋る方がいいと考えていたからである。
  • サラがターミネーターをプレス機で押し潰す時の台詞「you are terminated.」は、『ターミネーター3』でT-850がT-Xを破壊する時にも使用された(『ターミネーター2』では、ジョンの「Is he dead?(死んだの?)」に対し「Terminated.(完全に)」という台詞が発せられている)。
  • カイルの回想にてシュワルツェネッガー以外の筋骨隆々のターミネーター(演者はボディービルダーのフランコ・コロンブ)が登場している。
  • キャメロンが今作を製作する際のエピソードとして、ロボットの悪夢の話がある。この作品の前に製作した『殺人魚フライングキラー』が失敗した際、評論家やマスコミにもひどくこき下ろされたため、キャメロンは屈辱の余り熱を出して寝込んでしまったという。そのとき、炎の中からロボットが現れて自分を殺しに来るという悪夢を見て、今作製作のきっかけとなった、という話だが、真偽は不明である。
  • 冒頭のナレーションで「最終決戦は未来ではなく現代で行われる。今夜・・・・・・・」と言っているが実際はターミネーターがタイムスリップしてきてその日の夜には決着せず、数日経っている。
  • ダーク・ホース社から、エイリアンVSプレデターVSターミネーターのコミックが出ているが、今作に出演しているキャストの中で、シュワルツェネッガーはプレデター、マイケル・ビーンはエイリアン2、ランス・ヘンリクセンはエイリアン2・エイリアン3・エイリアンVSプレデター、ビル・パクストンはエイリアン2・プレデター2にそれぞれ出演している。
  • 岐阜県高山市に有る「留之助商店」(オーナーはSFX著書で有名な中子真治氏)にて、大変貴重な実際に劇中で使用されたT-800の実物大モデルが展示されている。
  • 作中で「審判の日」(Judgement day)とされるのは1997年8月29日だが、1968年の8月29日はシカゴで開催された米・民主党大会でデモ隊と警官隊が衝突し、軍も出動して流血事件が起きた日。米国民にとって'29th, August'は、国家権力が市民に牙をむいた日として記憶されている。映画の「コンピュータ対人類」という構図は、キャメロン監督にとって「国家対国民」を暗喩したものと言われている。

ゲーム作品[]

ザ・ターミネーター(Nintendo Entertainment System)
日本国外のみで発売されたゲーム。左・右スクロール型のアクションゲーム。カーチェイスステージなどもある。NES仕様なだけに難易度は極悪で、全面クリアーには運が必要とされる。コンティニューやセーブ等は一切ない。
ザ・ターミネーター(メガCD)
日本国外で発売されたメガCD版。ヴァージンインタラクティブ制作。
未来編、敵基地内、現代編とターミネーターの舞台となったシーンを舞台とする2Dアクション。メガCDを活かした映画ムービーの導入やトミー・タラリコ作曲のBGMが特徴。

関連書[]

  • 『ターミネーター』(講談社X文庫)R・フレイクス、W・H・ウィッシャー訳 吉岡平 1984年
  • 『ターミネーターの秘密』 HOLLYWOOD見聞会 データハウス 1993年 ISBN 4887181833
  • 『『ターミネーター』解剖』 ショーン・フレンチ 矢口誠訳 扶桑社 2003年 ISBN 9784594041007

脚注[]

  1. 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Cite web