『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(Terminator: The Sarah Connor Chronicles、TSCC)は、ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン制作のアメリカ合衆国のテレビドラマ。アメリカではFOXが2008年1月より第1シーズン全9話を放映、同年8月にDVDを発売、9月から第2シーズンを放映した。
日本では、2009年6月17日からスーパー!ドラマTVで、同年10月17日からはフジテレビが土曜ドラマ枠で放映を開始した。なお、フジテレビ・土曜ドラマ枠では、CMを除くと本編が実質36分程度であるため、一話につき10分ほどカットされての放映となった。日本でのDVDの発売は、シーズン1が2009年1月、シーズン2が同年6月。シーズン1は1週目の売上が約4.1万枚で、ドラマ部門での初動売上で歴代1位を記録。[1]
概要[]
『ターミネーター2』の5年後を描く。前作のT-800は登場せず、骨格が酷似したT-888が複数登場する。また、コナー親子を守るため新型の少女型のターミネーター(TOK715)も登場する。
この作品は「2007–2008 全米脚本家組合ストライキの恩恵を最大限に受けたドラマ」と評される。放送局のFOXの2008年1月の目玉番組は『24 -TWENTY FOUR-シーズン7』と当番組であったが、ストの影響で『24』が放送延期となったことから、FOXは同番組のための宣伝枠を使って当ドラマをバックアップした。一例として、映画のプレミアを行う劇場でイベントを開催するなど映画並みの一大プロモーションを展開した。こういった宣伝の効果もあり、2夜連続放送のどちらとも高い視聴者数をマークした[2]。
しかし、シーズン1では平均1100万人の視聴者を獲得する好セールスであったものの、シーズン2では放映曜日が月曜日から金曜日へ変更となったこともあり、視聴者が500万人前後まで大幅に低下し、FOXがシーズン3の製作予定を取り消した。したがって本作品は完結しないまま製作終了となってしまった[3]。ちなみにFOX以外での放映も検討中。
しかしシーズン3のストーリーは存在しており、製作側も継続のために動いていることが報道されているが、『ターミネーター4』が興行的に失敗したことに連なって「ターミネーター」の商標権が宙に浮いた状態となっているため(2011年3月現在)、TSCCのみならず、「ターミネーター」という言葉を冠した作品すべてが製作できない状況となっている。
アメリカ合衆国第34回サターン賞TVシリーズ部門を受賞。
あらすじ[]
サイバーダイン社が開発することになる軍事システム「スカイネット」の研究データを破壊して5年、1997年に起こるはずだった「審判の日」は阻止された。
サイバーダイン社の技術者であったダイソンを殺害した容疑でFBIに追われながらも穏やかな日々を送っていたジョンとサラの前に、彼らを抹殺するために新たなターミネーターが現れた。しかし、反乱軍からも親子を守るために女性型ターミネーター・キャメロンが送り込まれる。
キャメロンから新たな「審判の日」が2011年に迫っていることを知らされたコナー親子は、再び立ち上がる。
本作品では、『ターミネーター』、『ターミネーター2』で描かれていたスカイネット(サイボーグ)対人類(ヒューマンレジスタンス)の対立に加え、第3極であるサイボーグレジスタンスが登場し、それは作中たびたび登場する3つの点で示唆されている。
登場人物[]
「ターミネーターの登場人物」も参照
- サラ・コナー:レナ・ヘディ(吹替え:五十嵐麗)
- ジョン・コナーの母親であり、ジョンのティーチャー、プロテクターでもある。『ターミネーター2』にてサラたちに協力して絶命したダイソン殺害の冤罪により、FBIに追われる日々を送っていた。しかし再び現れたターミネーターにより、まだ闘いは終わっていないことを知る。タイムスリップした2007年で、自分が2005年に癌(『ターミネーター3』では白血病)で死ぬことを教えられる。迫りくる病魔とターミネーター、FBIという3つの敵と闘っていく。
- ジョン・コナー:トーマス・デッカー(武藤正史)
- サラと未来からやって来た抵抗軍の兵士カイル・リースとの間に生を受けた運命の少年。日々未来から来るターミネーターに命を狙われ続けており、自らがスカイネットと死闘を繰り広げる人類抵抗軍のリーダーとなる未来に苦悩する。
- セカンドシーズン最終話にて、T-1001と共に未来へ跳び、アリソンとカイルおよび未来から現代に跳ぶ前のデレクと出会う。
- キャメロン・フィリップス(TOK715):サマー・グロー(小林沙苗)
- 少女の姿をしたリプログラムド(再プログラム)・ターミネーター、TOK715。2027年の未来からコナー親子を守るため、未来のジョンにより送り込まれた。彼女なりに「人間らしさ」について研究しており、バレエを踊るなど繊細な面も持っている。未来では常にジョンの側にいて重要なパートナーであった。
- ファーストシーズン第9話のラストで車の爆発に巻き込まれ、その時のショックでリプログラム前のプログラムが再起動し、セカンドシーズンのスタートからジョン達を襲うようになってしまう。この後に元に戻るが嫉妬のような人間的な感情もみせるようになる。
- 最終話にて、自分のチップをジョン・ヘンリーへ渡した。地下室の画面には「I'M SORRY JOHN」というメッセージが表示されていた。
- ジェームズ・エリソン:リチャード・T・ジョーンズ(乃村健次)
- サラを殺人犯として追うFBI捜査官。聖書を読み信仰に深く傾倒している。サラたちの戦闘の遺留品を見て自分の知らない“何か”があると不審を抱き始め、殺されかけたところを間一髪でサラに救われ、スカイネットの人類抹殺に抵抗する戦士たちが死闘を繰り広げる衝撃の未来を聞かされ戸惑いながらも少しずつ信じ始める。シーズン1のラストでT-888がケスターという名の捜査官を名乗り、チャーリーの許を訪れたことを知る。また同話でケスターに襲撃をかけるものの彼以外を全滅させられるが、恐怖で立尽くしていたため殺す意味なしと判断されたのか殺害されずにすんだ。
- デレク・リース:ブライアン・オースティン・グリーン(奥田啓人)
- カイル・リースの8つ上の兄で、ジョンの伯父。未来のジョンにより送り込まれた抵抗軍の兵士であり指揮官でもある。人類を救う救世主となる存在であり、弟の忘れ形見である甥ジョンを守るために命を賭ける。生粋の兵士であり、必要ならば人を殺すことも躊躇いがなく、強硬な手段も問わず当初はサラ達と衝突が相次いだ。
- ジョンたちはカイルについて亡くなったこと以外黙っていたが、シーズン1のラストでジョンの容姿などから彼がカイルの息子だと気づいたことを明かす。
- シーズン2第27話にて敵のT-888型により抹殺された。彼の時間軸ではその時に死んだが、最終話にて未来へ跳んだジョンと出会う。
- チャーリー・ディクソン:ディーン・ウィンタース(咲野俊介)
- サラの元婚約者。シーズン1の第1話(1999年)では独身だったが、第2話(2007年)からは妻子を儲けており、おそらく1999年から2007年の間に結婚したと思われる。サラやジョンへの想いは捨てておらず、情報の提供や瀕死のデレクの救命などの協力をする。
- セカンドシーズン第21話にて、サラにより死亡が確認された。
- シルバーマン医師:ブルース・デイヴィソン
- 1・2・3にも登場していたサラを精神鑑定した医師。現在は引退し田舎で余生を過ごしていたが、サラを追うエリソンの訪問を受ける。
- ライリー・ドーソン:レヴェン・ランビン(林真里花)
- ジョンの高校の同級生で、ジョンの恋人になる。
- 未来からジェシーと一諸に、未来のジョンには内緒で送られた。ジェシーの命令によりジョンと交際するようになる。
- クロマティ→ジョン・ヘンリー(T-888):ギャレット・ディラハント(桐本琢也)
- スカイネットが送ってきた刺客。教師として学校に現れジョンを襲うも、キャメロンに阻まれる。その後、サラ達と共に1999年から2007年にタイムスリップする。その際のサラの攻撃で爆発四散し人工皮膚も全て失ってしまうが、無傷の頭部が再起動し自動修復機能でボディを取り戻す。その後現地の研究者や医師を利用した人工皮膚再生と美容整形手術により顔を変え、FBI捜査官ケスターと名乗り、しつこくサラ達を追い続ける。
- セカンドシーズンの途中でサラ達とエリソン調査官の協力でキャメロンに破壊されてしまい、土に埋められたが、後でエリソンが掘り起こし、キャサリンの元へ持っていく。その後直され、コンピュータの意識ジョン・ヘンリーにボディを使われる。
- キャサリン・ウィーバー(T-1001):シャーリー・マンソン(ガービッジ)(日野由利加)
- 女性型の液体金属ターミネーター。ゼイラ社の社長であり、幼い一人娘のサバンナがいる。
シーズン2のスタート冒頭の歌は、このシャーリー・マンソンが歌っている。 - アリソン・ヤング:サマー・グロー
- キャメロンの外見モデルとなった抵抗軍メンバー。潜入のための情報を吐かされた後、再プログラム前のキャメロンにより殺害された。父は建築技師、母クレア・ヤングは音楽教師。妹がいる。2007年7月22日にパームデールで生まれ、2007年の母親が登場するシーンではまだ母親の胎内にいる。尚、彼女自身の人格と記憶もキャメロンにインプットされていて、チップのトラブルでキャメロンがアリソンとして復活したことがある。
- カイル・リース:ジョナサン・ジャクソン(内田夕夜)
- デレクの弟でジョンの父親。かつて過去の1984年にタイムスリップしサラを守り抜くが、T-800との激戦の中、力尽きて死亡。
スタッフ[]
- 製作総指揮:マリオ・F・カサール/ジョシュ・フリードマン/ジョン・ワース
- 音楽:ベア・マクリアリー
放映リスト[]
フジテレビ・土曜ドラマ枠での放映時は邦題サブタイトルがない。代わりに新聞のテレビ番組欄等には、あらすじ的な長々とした独自のサブタイトルが掲載される。また、フジテレビ・土曜ドラマ枠での放送は、全31話中、3話分カットされ28話放送となった。
ファースト・シーズン[]
No. | タイトル | 放映日 (米国) |
初回放映日 (スーパー!ドラマTV) |
放映日 (フジテレビ) |
視聴率 (フジテレビ) |
---|---|---|---|---|---|
1 | "Pilot" 「序章」 |
2008年1月13日 | 2009年6月17日 | 2009年10月17日 | 9.8% |
2 | "Gnothi Seauton" 「汝自身を知れ」 |
2008年1月14日 | 2009年6月24日 | 2009年10月24日 | 5.6% |
3 | "The Turk" 「ターク」 |
2008年1月21日 | 2009年7月1日 | 2009年10月31日 | 7.7% |
4 | "Heavy Metal" 「ヘヴィメタル」 |
2008年2月4日 | 2009年7月8日 | 2009年11月7日 | 9.7% |
5 | "Queen's Gambit" 「チェス大会」 |
2008年2月11日 | 2009年7月15日 | 2009年11月14日 | 8.4% |
6 | "Dungeons & Dragons" 「ダンジョン&ドラゴン」 |
2008年2月18日 | 2009年7月22日 | 2009年11月21日 | 6.6% |
7 | "The Demon Hand" 「神の手」 |
2008年2月25日 | 2009年7月29日 | 2009年11月28日 | 7.5% |
8 | "Vick's Chip" 「チップの記憶」 |
2008年3月3日 | 2009年8月5日 | 2009年12月5日 | 7.5% |
9 | "What He Beheld" 「誕生日」 |
2008年3月3日 | 2009年8月12日 | 2009年12月12日 | 6.6% |
セカンド・シーズン[]
No. | タイトル | 放映日 (米国) |
初回放映日 (スーパー!ドラマTV) |
放映日 (フジテレビ) |
視聴率 (フジテレビ) |
---|---|---|---|---|---|
1 (10) | "Samson and Delilah" 「ジョン抹殺」 |
2008年9月8日 | 2009年10月21日 | 2009年12月19日 | 7.3% |
2 (11) | "Automatic for the People" 「原子力発電所」 |
2008年9月15日 | 2009年10月28日 | 2010年1月9日 | 8.4% |
3 (12) | "The Mousetrap" 「マウストラップ」 |
2008年9月22日 | 2009年11月4日 | 2010年1月16日 | 6.5% |
4 (13) | "Allison from Palmdale" 「アリソン」 |
2008年9月29日 | 2009年11月11日 | 2010年1月23日 | 6.6% |
5 (14) | "Goodbye to All That" 「永久に別れを」 |
2008年10月6日 | 2009年11月18日 | 2010年1月30日 | 7.1% |
6 (15) | "The Tower Is Tall But The Fall Is Short" 「時は得難く失い易し」 |
2008年10月20日 | 2009年11月25日 | 2010年2月6日 | 4.9% |
7 (16) | "Brothers of Nablus" 「ナブルスの兄弟」 |
2008年11月3日 | 2009年12月2日 | 2010年2月13日 | 5.7% |
8 (17) | "Mr Ferguson is Ill Today" 「銃撃戦」 |
2008年11月10日 | 2009年12月9日 | 2010年2月20日 | 6.8% |
9 (18) | "Complications" 「フィッシャー」 |
2008年11月17日 | 2009年12月16日 | 2010年2月27日 | 6.7% |
10 (19) | "Strange Things Happen at the One Two Point" 「3つの点」 |
2008年11月24日 | 2009年12月23日 | 2010年3月6日 | 8.3% |
11 (20) | "Self Made Man" 「ピコ・タワー」 |
2008年12月1日 | 2010年1月6日 | ― | |
12 (21) | "Alpine Fields" 「フィールズ一家」 |
2008年12月8日 | 2010年1月13日 | ― | |
13 (22) | "Earthlings Welcome Here" 「エイブラハムのブログ」 |
2008年12月15日 | 2010年1月20日 | 2010年3月13日 | 5.4% |
14 (23) | "Good Wound" 「大いなる存在」 |
2009年2月13日 | 2010年1月27日 | 2010年3月20日 | 5.1% |
15 (24) | "Desert Cantos" 「出現」 |
2009年2月20日 | 2010年2月3日 | 2010年3月27日 | 6.2% |
16 (25) | "Some Must Watch, While Some Must Sleep" 「ドリームキャッチャー」 |
2009年2月27日 | 2010年2月10日 | ― | |
17 (26) | "Ourselves Alone" 「それぞれの思い」 |
2009年3月6日 | 2010年2月17日 | 2010年4月3日 | 4.3% |
18 (27) | "Today is the Day (Part 1)" 「疑惑」 |
2009年3月13日 | 2010年2月24日 | 2010年4月10日 | 6.4% |
19 (28) | "Today is the Day (Part 2)" 「運命の時」 |
2009年3月20日 | 2010年3月3日 | 2010年4月17日 | 6.3% |
20 (29) | "To The Lighthouse" 「燈台」 |
2009年3月27日 | 2010年3月10日 | 2010年4月24日 | 4.5% |
21 (30) | "Adam Raised a Cain" 「救出」 |
2009年4月3日 | 2010年3月17日 | 2010年5月1日 | 6.1% |
22 (31) | "Born to Run" 「終わりなき旅」 |
2009年4月10日 | 2010年3月24日 | 2010年5月8日 | 6.8% |
リリース(DVD・Blu-ray・CD)[]
DVD[]
ファースト・シーズン[]
- 2009年1月7日 ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ vol.1(第1話・第2話収録)
- 2009年1月21日 ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ コレクターズ・ボックス (4枚組 第3話~第9話収録)
- 2009年11月18日 ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ <ファースト> (5枚組 第1話~第9話収録)
セカンド・シーズン[]
- 2009年6月10日 ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ vol.1(第1話~第3話収録)
- 2009年6月24日 ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ コレクターズ・ボックス1(5枚組 第4話~第13話収録)
- 2009年9月30日 ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ コレクターズ・ボックス2(5枚組 第14話~第22話収録)
Blu-ray[]
ファースト・シーズン[]
- 2009年1月21日 ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ コレクターズ・ボックス(3枚組 第1話~第9話収録)
セカンド・シーズン[]
- 2009年9月30日 ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ コレクターズ・ボックス(5枚組 第1話~第22話収録)
サウンドトラック盤CD[]
- 2008年12月16日 LLLCD 1081(アメリカ盤1枚組、24曲、64分4秒) - La-La Land Records
脚注[]
- ↑ サンケイスポーツ - ターミネータードラマ版、フジ系土曜夜に登場、2009年8月11日。
- ↑ 2008年4月号『日経エンタテインメント!』内「海外ドラマはやめられない!vol.23」より
- ↑ 『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』の打ち切り決定 2009年6月2日 海外ドラマNAVI
外部リンク[]
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